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~彫師・摺師職人技術の再評価~


皆様ご存知のとおり、伝統木版画は版元・絵師・彫師・摺師・その他関連職人たちの協働によって実現された芸術的所産であり、そのいずれも欠くことのできない重要な役割を担っているのです。ところが,今日まで国内外の多くの研究者・収集家たちは、版元と絵師については膨大な研究成果を文献として残していますが、それに比べて彫師・摺師およびその他関連する職人についての資料はほとんど見当たらないことに気づきました。

 18世紀半ばから錦絵入りの版本や多色摺りの浮世絵が庶民の間に広まり、彫摺の技術水準は飛躍的に向上し多くの名人が誕生しましたが、日本独特の徒弟制に基づく分業システムのなかにあって、その名前が版画上に明記されていることは非常に稀で、残念ながらほとんどの職人たちはその功績を知られぬままに忘れ去られてしまったというのが実情です。この職人技を正当に再評価すべきであり、具体的な彫師名・摺師名にもう少しスポットをあてた上で木版画が鑑賞されるべきだと率直に感じた次第です。文献検索や資料収集に相当時間はかかりましたが、今までに彫師775名・摺師1,165名を網羅するデータベースを構築することが出来ました。


 しかし、まだ掲載漏れとなっている彫師・摺師の方をひとりでも多く発掘してデータベース化して充実を図りたいと思いますので、伝統木版画制作に携わった彫師・摺師に関しての新情報をご存知でしたらお知らせください。

 なお、現在はまだ下記の英文サイトでしかデータベースを情報公開しておりませんので、近い将来に日本語で冊子に取りまとめたものを作成したいと考えています。

 

伝統木版画彫師摺師新名録/New Comprehensive Carver & Printer Directory

歌川国貞画・艶本「花鳥余情吾妻源氏」
大本 錦絵下巻序図より 天保(1830-43)後期
<礫川(こいしかわ)浮世絵美術館所蔵>




下の写真は、彫技術で一番難しいといわれる毛割の部分を拡大したもので、1ミリのスペースに4~5本の細い髪の毛が刻されており、摺りの状態も髪の毛の間が絵具でつまらないよう細心の注意が必要で、彫師・摺師の最高水準の腕の見せ所です。残念なことにこのすばらしい職人技術が、名人級の職人の相次ぐ逝去により、後世に保存伝承されることなく今まさに消え去ろうとしているのです。


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